カフェ紙、決断
とあるカフェの閉店発表がありました。
三か月後に閉めるそうです。
まあ、前々から、閉める方向に向かってる等のお話は直接聞いていたので、
ああ、とうとう正式に決断したんだな、と。
その、とあるカフェとはライバル、というわけではないけど、
それに近い感情を持ちえる、常日頃から気になる存在のお店でした。
始めた時期が近いこと、
年齢が近いこと、
店の方向性・運営方針が真逆なこと、
その他さまざまな要因が重なって、また、お互いのお店がオープンして間もない時期に、
コーヒーのイベントでたまたま出会ったことで、
お互い気になる存在になっていったのではないかと思います。
…もしかしたら向こうはなんも思ってないかも知れませんが。
ぴらにやがとにかく変幻自在に、もしくは節操なく、
コンセプトや営業時間や方向性などをコロコロ変えるのに対して、
彼の店は一貫性があって、それに関してはボクはなにも思わないけど、
ブレない感じについてきてたお客さんも多かったのではないでしょうか。
実のところ、お店に関しては、これといって真似したいな、悔しいなと思う部分は、
まったくなかった(好き放題書いてごめん…)のですが、
唯一、自分の商品に対する自信のようなものが羨ましかったです。
商品を売るための方便や宣伝文句として、「うちの商品はサイコ~」とか、
「買わなきゃ損ですよー」とか言っちゃうのは世の中よくあるけど、
心底、自分の作るケーキや淹れるコーヒーを信用していて、「おいしいですよ!」と、
言い切っちゃう、お客さんが「おいしいですね」と言おうもんなら、
「そうでしょ!」と言ってしまえる強さ、いや、強さではなく、自分の腕への信用、
いまだに食器を下げに行くのが恐ろしくて仕方ないボクにはないもの。
ぴらにやのコンセプトや方向性がコロコロ変わるのは自信のなさの裏返しなんです。
品質を上げる努力をするよりも、リセットして新しいモノ作るほうが楽なんです。
ぴらにやはこれからも自己否定で予防線を張りながら、飄々と営業することでしょう。
でも、いつかはお客さんの褒め言葉に素直に寄り添いたい。
お客さんが来ない日に、
「こんな不味いモンしか作ってないんだから仕方ねーな…」と思うか、
「こんな美味いモンがあるのに来ないなんて、あーあ人生損してるぜ」と思うかで、
ぜんぜん違うと思うのです。その後の展開が。
どっちがいいか否かは、読んでる方に思うままに委ねます。
誇りと自信がなければ、次に進めないのは、重々承知しているのです。